2012年1月28日土曜日

残されたアインシュタインの兄弟

とでも言いたいのか知りませんが、動きの早いと言われるロボロフスキーのアインシュタインのこと。ちょっとやそっとじゃカメラのピントを合わさせてはくれません。全盛期のミカンをも上回るチョロチョロぶり。そんな彼にも、おっとりしていた時期があったのでした。それは、ペットショップにいた頃のこと。

彼のいたペットショップには、彼と、彼の兄弟と思しきまったく同じ毛色で一回り大きいロボの二匹が売られていました。体の大きい方は見てるとずっと落ち着きなくケージ内を駆け回って小さいほう(アインシュタイン)を踏みつけたりしていたのでした。一方アインシュタインは周りでごそごそやられようとも踏まれようとも泰然自若に構えています。興味を持った僕たちが店員さんの許可の下にケージ内に手を差し伸べると、大きいほうはもちろんパニック。アインシュタインは店員さんの手によって僕の手のひらに乗せられてもゆったりと僕の顔の造作を見つめたりしています。店員さんいわく、「この子ちょっとオバカさんなんですよね」。

いいじゃないオバカさん。暴れん坊よりもちょっとくらいオバカでゆったりした奴の方がいいじゃない、とペコを飼ったときとまったく同じ経緯で彼を選んだのでした。そして、訪れた結果もまったく同じ。連れ帰ってみたら体の大きいほうと取り違えて持って帰ってしまったんじゃないかと思うほどの大暴れっぷり。ロボは分泌物が多いのか、彼がケージの壁を手でこすりまくるせいで、洗っても二日で全面くもりガラスになってしまいます。環境に慣れればまた大人しい姿を見せてくれるのかと思いきや、買って4ヶ月。その兆しは見えません。猫かぶってやがったな!

まあそれはそれとして、そんな彼も今では我が家の大事な一員ですからどんな性格でもいいんですけど、気になるのはショップに残った体の大きい方。便宜上アインシュタインの兄ちゃんとしときますが、彼、いつまたそのショップに寄っても売れ残ってるんです。終いには「ちょっと体は大きいですが、かわいいですよ^^」みたいな手書きのポップをつけられてしまう始末。弟と違って狭いケージで回し車もなく客の好奇の目に晒され生き続ける彼の姿に哀愁。弟といたころの暴れっぷりもすっかりナリを潜め、いつ見ても床材にまぎれてうずくまっています。人間本位な考え方とはわかっていますが、弟と引き離されて寂しがってるようにも見えます。ああ、こんなことなら一緒に連れて帰ってもよかったかなあ、などと思いつつ。

そして先日、ショップを覗いてみたら、ついに売れてました!まあもちろんペットショップからいなくなるのは売れた以外の結末もあるでしょうからアレですけど、それは考えないことにして一応は安心したフリをしときます。

はっきり言って人間が動物をペットという形で傍に置くのはそれだけで因果なことなんですが、こうしてペットショップの動静にまで気を配らなければならぬとは。もうペットというシステムは世界中で廃止にしませんか?と思わないでもないです。別に猟もしないし番犬も監視カメラで賄える時代だろう。これだけ多くの娯楽に囲まれておいて、今更愛玩もないだろう。ただ、そうなっても世界中で我が家だけは飼ってもいい世の中。それでいいと思います。ジ・エゴイズム。
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